平屋は何坪必要？家族構成別の最適な広さ・土地選びのポイントも解説

2024/12/26

平屋は何坪必要？家族構成別の最適な広さ・土地選びのポイントも解説

片流れ屋根の平屋の戸建住宅

広々としたワンフロアでの快適な平屋暮らしは、多くの人にとって憧れです。しかし、いざ平屋を建てるとなると、「何坪必要なのか？」「どんな土地を選べばいいのか？」など、さまざまな疑問が出てきますよね。家族の人数やライフスタイルによって、最適な広さや間取りは大きく変わります。

この記事では、家族構成別の最適な坪数目安や間取りのポイント、土地選びのコツや間取りプランを考える際の注意点まで、わかりやすく解説します。注文住宅で平屋の家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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平屋に必要な坪数は？

家の模型をメジャーで計測

快適な平屋暮らしの第一歩は、家族構成に適した広さを確保することです。平屋の坪数を検討する際には、国土交通省が示す「住生活基本計画における居住面積水準」（誘導居住面積水準）を参考にすると良いでしょう。郊外や都市部以外での一戸建て住宅を想定した「一般型」を参考に、家族のライフスタイルや将来的な家族構成の変化も考慮しながら検討しましょう。

ただし、上記はあくまで目安です。たとえば、在宅勤務が増えている昨今では、ワークスペースの確保も必要でしょう。趣味の部屋や収納スペースの広さなども考慮すると、目安よりも広い坪数が必要になるケースもあります。快適な生活を送るためには、家族のライフスタイルや将来的な変化を想定し、ゆとりを持った広さを確保することが大切です。

家族構成別の最適な広さと間取り

住宅の模型と図面

家族構成によって最適な部屋数や生活空間の広さが変わるため、必要な坪数も変わってきます。ここでは、家族構成ごとに、平屋の坪数の目安と間取りのポイントについて解説します。

一人暮らしの平屋：約20坪

一人暮らしでは、ワンルームまたは1LDKの間取りが中心です。限られた空間でも、自分の好みやライフスタイルに合わせてさまざまな空間づくりができます。

たとえば、読書が趣味であれば壁一面に本棚を設置した書斎やライブラリーを設けたり、映画や音楽鑑賞が趣味であればホームシアターを設置したり、自分だけの特別な空間を作って楽しめます。また、ロフトやスキップフロアを設けて、空間に変化をもたらしたり、収納として使ったりするのも良いでしょう。
コンパクトな平屋だからこそ、綿密に計画することが、快適な暮らしを送るうえで重要となります。

夫婦二人暮らしの平屋：約22〜24坪

2LDKが主流で、寝室に加え、趣味の部屋や書斎などを設けることが可能です。将来的な家族構成の変化を見据え、子供部屋として利用できる部屋を設けるなど、フレキシブルな間取り設計をしましょう。

共働き夫婦であれば、家事スペースが充実するように検討することも大切です。家事動線を短くし、効率的に家事ができる間取りを実現しましょう。また、平屋はワンフロアで生活するため、生活動線や家事動線に合わせた収納の工夫が、快適な暮らしに直結します。
動線が長くならないように、回遊できる間取りにウォークスルークローゼットを採用するなど、効率的に使えるように収納スペースを設けましょう。

子供1人＋夫婦の平屋：25〜30坪

3LDKが一般的で、子ども部屋の他に、家族で過ごすLDKを広く確保するのがポイントです。何かと物が増える子育て世帯では、とくに収納スペースを十分に確保し、子どもの成長やライフスタイルの変化に対応できる間取りにしましょう。

たとえば、子ども部屋を将来的に２部屋に分割できるように間取りを計画しておくと、子どもが増えたときに対応でき、子どもが巣立ったあとは、趣味の部屋や書斎として使うことができます。
将来を見据えた間取り設計をすることで、長く快適に暮らすことができるでしょう。

子供2人＋夫婦の平屋：30〜35坪

LDKで過ごす夫婦と子供一人

4LDKの間取りが中心です。子供部屋は学習机やベッドを配置してもゆとりある広さを確保し、収納スペースも十分に設け、成長に合わせて変化する子供たちのニーズに対応できる空間をつくりましょう。

家族で長く時間を過ごすLDKの広さも重要です。リビングダイニングは広々とした空間を確保し、開放感や快適性を向上させて家族が集いやすい雰囲気づくりをしましょう。

水回り動線を工夫し、家事負担を軽減することも大切です。キッチン・洗面所・浴室を回遊できる動線を確保することで、家事効率が向上します。さらに、LDKに隣接した庭やデッキを設けると、使いやすい屋外スペースが生まれて、暮らしの幅が広がります。
子供たちが遊べるスペースを確保したり、ガーデニングを楽しんだり、家族でバーベキューをしたりと、多目的に活用できるアウトドアリビングは、平屋暮らしの大きな魅力となるはずです。

子供3人＋夫婦の平屋：35〜40坪

5LDKの間取りが一般的です。大家族でも快適に過ごせるように、リビングダイニングは広々とした空間を確保しましょう。家族の人数が増えると必然的に物が増えるため、収納計画がより重要になります。収納スペースは、各部屋に十分な広さを設けるか、ウォークインクローゼットやパントリーなどを採用して、効率的な収納を実現しましょう。

水回りの動線をスムーズにして家事の負担を軽減するのはもちろんのこと、各々がプライベートな時間を過ごしやすく、家族のコミュニケーションがとりやすくなるように間取りを工夫することが大切です。コミュニケーションのしやすさを重視するなら、リビングを通って各部屋にアクセスするような間取りを採用するのもおすすめです。

また、平屋は延床面積が広くなると、建物の中心部の採光や通風が難しくなる傾向にあります。中庭を設ける、コの字型やL字型のプランを採用する、天窓を設置するなど、間取りを工夫して、明るく風通しの良い住まいを実現しましょう。

平屋に必要な土地の広さは何坪？広さの目安と土地選びのポイント

ポイントの英字がプリントされたタグとクリップ

平屋に必要な土地の広さは、建物の延床面積の1.5倍～2倍程度が目安です。たとえば、30坪の平屋を建てる場合、45坪～60坪の土地が必要となります。
しかし、土地の広さは延床面積だけで決まるわけではありません。駐車スペース、庭の広さ、建ぺい率・容積率、そして将来の拡張性なども考慮する必要があります。

駐車スペースは来客用も含めて計画し、庭はガーデニングやBBQなどの用途に合わせて広さを決めましょう。建ぺい率・容積率は地域によって異なるため、事前に確認が必要です。将来、増築やリフォームを検討している場合は、その分のスペースも確保しておきましょう。

駐車スペースの広さ

マイカーのサイズに合わせた駐車スペースの確保は、快適な車庫入れや乗り降りのしやすさに直結する重要なポイントです。駐車スペースを考える上では、単に車のサイズだけでなく、ドアの開閉や人の動線を考慮したゆとりある設計が大切です。

また、車を何台駐車するかを考え、来客用も含めて計画しましょう。車の出し入れのしやすさを考慮し、アプローチとの関係も検討することが重要です。将来、車の台数が増える可能性も考慮しておきましょう。

庭やウッドデッキの広さ

平屋の住宅と屋外スペース

屋外スペースの広さは、家族構成やライフスタイル、好みによって大きく異なります。小さなお子さまやペットがいる家庭では、遊べるスペースが必要になるでしょう。ガーデニングを楽しむ場合は、植栽スペースを設け、バーベキューやくつろぎのスペースを設けるならテラスウッドッキもおすすめです。

広さは、用途を考慮して計画的に決定しましょう。また、リビングからのアクセスを配慮して配置を決めると、使い勝手が向上します。

建ぺい率・容積率

建築可能な面積は、その土地の建ぺい率・容積率によって制限されます。建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延床面積の割合を定めたものです。
例えば、建ぺい率が50％の地域で30坪の平屋を建てたい場合、少なくとも60坪の土地が必要になります。これらの制限を考慮せずに土地を購入してしまうと、後で計画変更を余儀なくされる可能性があるため、注意が必要です。

とくに、平屋は広めの土地が必要となるため、建ぺい率・容積率の制限が厳しい地域では、希望通りの設計ができない可能性があります。建築計画を進める前に、地域の建築基準法や条例を確認し、十分に検討することが大切です。

平屋に最適な土地選び5つのコツ

コツと書かれた机の上の積み木

土地選びは平屋暮らしの快適性を大きく左右する重要なポイントです。以下の5つのコツを参考に、最適な土地を見つけましょう。

日当たり

平屋は建物が低いため、2階建て住宅に比べて日当たりが悪くなりがちです。南向きの土地が理想的ですが、できるだけ周囲に高い建物がない土地を選び、日照時間を確認しましょう。
隣家が近いときは、天窓も有効です。リビングやダイニングなど、家族で過ごす時間が多い部屋は、日当たりが良い場所に配置できるように計画しましょう。

周辺環境

生活環境・防犯面・災害リスクなどを考慮して土地を選びましょう。とくに、子育て世帯であれば、保育園・幼稚園や小学校、公園・病院などへのアクセスがよい立地が望ましいでしょう。
また、実際に街を歩き。街灯の数や夜間の明るさなども確認しておきましょう。災害リスクについては、ハザードマップを確認し、浸水リスクや地震リスクなどを把握しておくと安心です。

地盤

地盤の強度や液状化のリスクは、建物の安全性を左右します。地盤が弱い土地は、地盤改良工事が必要になり、建築費用が高額になる可能性があるため注意が必要です。周辺の地盤調査のデータやハザードマップなどを事前に確認しておきましょう。

土地の形状

平屋は広めの土地が必要となるため、土地の形状は重要な要素となります。正方形や長方形の土地が理想的ですが、変形地でも工夫次第で快適な平屋を建築できます。
ただし、変形地は建築可能な面積が限られる場合があるため、設計段階で十分な検討が必要です。また、アクセス道路の幅員や勾配なども考慮し、将来的な生活の利便性を考慮した土地選びが大切です。

アクセス

通勤や通学、買い物などの利便性を考慮し、駅やバス停、スーパーマーケットなどの生活施設への距離、主要道路へのアクセス、道路の幅員や交通量などを事前に確認しましょう。とくに、小さなお子さまや高齢者がいる世帯では、アクセスの良さが重要になります。
また、災害時の避難経路なども考慮に入れると安心です。アクセスの良い土地は価格が高くなる傾向がありますが、暮らしの利便性を左右する重要な要素なので、じっくり検討しましょう。

平屋の間取りプランを考える上での注意点

注意点

平屋を建てる際は、ワンフロアの間取りから生じる特有の課題への配慮が重要です。快適な平屋暮らしを実現するために、いくつか注意点を確認しておきましょう。

採光と通風の確保

平屋は2階建て住宅に比べて高さが低いため、まわりに高い建物があったり、隣家が迫っていたりすると、採光や通風が不足しがちです。とくに、建物の中央部分に位置する部屋は、自然光が十分に入らない場合があります。天窓の設置や高天井、吹き抜けなどを採用して、明るく風通しの良い空間を実現しましょう。中庭を設けるのも効果的です。

生活動線を短く

LDKや個室、水まわりといったすべての部屋がワンフロアに集まる平屋の家は、廊下が増えたり動線が長くなったりする傾向があります。家事動線や生活動線がコンパクトになるように、間取りを工夫することが重要です。
キッチン・洗面室・浴室などの水まわりをまとめる、洗濯物を洗ってから収納スペースにしまうまでの距離を短くするなど、できるだけ無駄のない動線を考えましょう。

プライバシーの確保

プライバシー性が高い平屋の家

すべての部屋がワンフロアにあるため、家族の距離が近づくメリットがある反面、プライバシーの確保が難しく、音や視線が気になる場合があります。また、部屋が１階に集約しているため、隣家や道路からの視線が気になることも。とくに、リビングや寝室・浴室など、プライバシーを重視したい空間については、窓の位置や配置に細心の注意を払う必要があります。

周囲の環境も十分に確認し、道路に面してリビングや浴室をつくらない、植栽やフェンスなどを活用して視線を遮るといった工夫も有効です。プライバシーを守りつつ、家族のコミュニケーションも円滑にする空間づくりを心がけましょう。